サツマイモを家庭で栽培する方法は? おすすめの品種12選

satsumaimo 家庭菜園

 

さつまいもは、中南米原産のヒルガオ科の作物で肥大した根を食用にしています。

現在国内で正式に登録されているものだけで60品種あります。

一般の家庭でも、とても簡単に育てられるので人気がある作物です。

病気にかかっていない苗(挿し穂)を選べば、秋には美味しいサツマイモが収穫できます。

今年の秋は、ご自分で作ったビタミンCや食物繊維が豊富、そして高血圧を予防効果のあるカリウムなど色んな栄養素たっぷりのサツマイモをご家庭で味わってみませんか?

 

家庭で育てたい「サツマイモ」のおすすめ品種

 

ねっとり食感で甘いさつまいも

 

1.安納芋

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他のサツマイモと比べてショ糖が多く、甘味が強く多糖類を多く含んでいるのでカボチャのような”ねっとり”とした食感のあるサツマイモです。

 

2.紅はるか

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糖度が高く甘みのある”ねっとり”とした食感が特徴のサツマイモ。 熱に強く加熱しても壊れにくく、貯蔵すると一層その食感や甘みが引き出されます。

 

 

3.シルクスイート

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絹(シルク)のような、繊維量が少なめの”なめらかな”食感と濃厚で上品な甘さが特徴のサツマイモ。

群馬県カネコ種苗で開発されたサツマイモ、人気急上昇でスーパーでも見かけるようになりました。

4.クイックスイート

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参照:農研機構

平成17年に品種登録されたサツマイモ。他のサツマイモよりも短時間の加熱で糖度が高くなるのが特徴。冷めても美味しく、色や柔らかさが変わらず食べることが出来ます。

 

 

ホクホク食感で甘いさつまいも

 

5.鳴門金時

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糖度が高く、栗のように”ホクホク”とした食感です。水分が少なくさらさらとした舌触りが特徴。シンプルに焼き芋にするならこれ!

 

6.紅あずま

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上品な甘みが強く繊維質も少ない関東では人気のサツマイモ。粉質で、貯蔵することで糖度が増し、しっとり感も出てきます。なめらかな舌触りを楽しむのであれば、涼しい場所で数日寝かしてから調理しましょう。

 

7.紅さつま

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高系14号の特徴を受け継いだ品種です。繊維質がほとんどなく食べやすいのも特徴です。

適度な甘みがあり、ホクホクした食感が楽しめ、いろんな料理に使うことが出来ます。

 

8.高系14号

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西日本で主に生産されている品種で、鳴門金時や紅さつまは高系14号から品種改良や選別されたものです。繊維質が少なく、昔ながらの素朴な甘さと香りがあり、ホクホクねっとりとした食感が特徴のオーソドックスなサツマイモです。

 

カラフルな色のサツマイモ

9.パープルスイートロード

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サツマイモの品種。皮にアントシアニン色素を多く含んでいます。

鮮やかな紫色が特徴で、甘さ控えめでほくほくの食感です。

流通量が少なくスーパーなどであまり見かけない品種、自分で育ててみるのも良いかもしれませんね。

 

10.シモン芋(カイアポ芋)

 

ブラジル原産の白いサツマイモと呼ばれています。

ほくほく食感ですが甘みが少ないので、揚物・炒め物など料理などに向いています。

サツマイモよりも栄養価が高くビタミンKを多く含み、カルシウム・βカロテン・カリウムが多量に含まれており、便秘や糖尿病などをはじめ様々な病気や健康維持に効果があると言われています。中国では漢方薬の材料にも使われています。

11.アヤコマチ

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濃いオレンジ色が特徴のサツマイモです。

上品な甘みがあり、食感はカボチャのようにねっとりしています。

カロテンが豊富で、肌荒れやシミやシワ予防、ニキビの改善などアンチエイジング効果も期待できます。

 

 

12.紅きらら

 

ややねっとりした滑らかな食感で、適度な甘みがあります。

カロテンを多く含み皮の色・果肉がオレンジ色がかった色合いで、ニンジン芋やかぼちゃ芋などとも呼ばれています。

 

 

サツマイモ苗を家庭で植えよう!苗や種芋からの育て方

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サツマイモ苗を植える時期

植付に最適な気温は25度前後、最低気温が10℃以上になる時期に苗を植え付けます。

関東なら5~6月にかけてがベストな時期です。

 

サツマイモ苗の選び方

 長さが30~40cmほどのサツマイモの苗(挿し穂)がホームセンターなどで売られています。

購入する際は、葉色が濃く節が7~8個ある茎がしっかりしたものを選びましょう。

 

サツマイモ苗を購入したら

  

購入した苗の切り口を1~3日間メネデールなど「活力剤を数滴加えたに水」に浸しておくと、白い根っこが出てきます。根が出てきたら一度自ら引き上げた後に、土植え(挿し穂)してください。

購入後すぐ、水などに浸さずそのまま土植え(挿し穂)しても大丈夫ですが、「活力剤を数滴加えたに水」に浸しておく方が圧倒的に根の成長(活着)が早くそして強くなります。

ちなみにメネデールは100倍希釈が標準です。

土植え(挿し穂)数日間は、多めに水を与えます。

葉っぱが広がりみずみずしく茎がしっかり成長していれば根が土中で成長している証拠、逆に元気なく萎れてきているようであれば根は出ず、いずれ枯れていきます。

 

サツマイモの栽培土

サツマイモは、通気と水はけの良い乾燥した痩せた土を好みます。水はけが悪い場所では根腐れして育たないことがあります。

露地植えする場合は、植え付け後の発根や活着を促すためビニール製の覆い「マルチ」をしましょう。土壌水分を適度に保ち、雑草も防いでくれます。

プランター栽培で市販ものを使うのであれば土壌は野菜用の培養土でかまいません。

 

土壌が肥沃過ぎると「つるボケ」に

土壌が肥沃過ぎると茎葉に栄養が行きすぎる「つるボケ」状態になってしまい、イモが全く肥大しない現象がおこります。

肥料はほぼ必要ありませんが、蔓の伸びが悪くなったり、葉の色が淡すぎることがあります。

そういった場合、化成肥料を少しづつ与えます。

サツマイモの肥料は、カリウム、窒素、リン酸などの配合が難しいので専用肥料などを使用するとよいでしょう。

 

サツマイモ苗のプランター栽培に必要なもの

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ご自宅でのプランター栽培も可能です。

手で深さ10cmくらいの穴を作り、挿し苗の茎の3~4節部分を目安に土に埋めます。

プランターのサイズは小さすぎるとイモが肥大化しません。苗2本なら、30cm間隔で植え、最低でも48L程度の大型のプランターが必要になります。

 

 

サツマイモ苗の育て方(蔓返し)

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サツマイモの世話は、除草と灌水程度で特にありません。

日照不足にならないように気を付け、順調に成長していくと蔓(つる)が元気よく伸びていきます。

つるが伸びて地面に着くと、そこから根を出して新たにイモを作ろうとします。

そこで、つるを持ち上げて葉を裏返にして蔓から伸びている不定根を切って、株元に戻してやる「蔓返し」の作業を行います。

この作業を怠ると、土中のイモが肥大化せず甘みが増さず美味しくなりませんので、必ず行ってください。

 

サツマイモの葉が枯れたり黄色くなったら収穫時期

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サツマイモは植えつけから120~150日前後、葉や茎が枯れてきたり、葉が少し黄色くなり始めたら収穫時期です。

株元でツルを切ってから収穫します。

乾燥気味で日照時間が多い年に育ったサツマイモは、糖分が強いので美味しくなります。

 

種芋で来年も家庭でサツマイモを収穫したい

余った芋をそのまま種芋として来年使うことができます。種芋は、できるだけ形が良いイモを選びましょう。

種芋を保存する方法は⁈

  1. 泥やつるを除けたイモを1週間程度陰干しする。
  2. 新聞紙などで一つづつ包み、外気を通し遮光する。発泡スチロールや段ボール箱等にいれる。
  3. 日光の当たらない、温度は10〜15℃、湿度80%前後になるような場所で貯蔵する。

畑などをお持ちであれば、冬場に土の中に埋めて貯蔵する方法もありますが、山間部や寒冷地などは土中でも地表近くでは10℃以下になることがあり、低温障害を受け腐ります。かなり深く掘る必要があるのであまりお勧めできません。

一般のご家庭なら、発泡スチロールや段ボール箱等での保存の方が温度・湿度とも安定した場所での管理がしやすくおススメです。

 

春になり種芋を発芽する方法は⁈

 

  1. 糸状菌(カビの一種)が原因の基腐病を予防するために45~48℃のお湯に30分以上浸けて殺菌をする。
  2. 落ち葉や腐葉土、米糠や鶏糞などを使った温床栽培や水と液体肥料で育る水耕栽培などの方法で芽出しをする。
  3. 種芋から発芽した部分「成長点」を地表に出して土に埋めない。
  4. 芽が成長したら、数回に分けて苗切りをして、苗の切り口を1~3日間メネデールなど「活力剤を数滴加えたに水」に浸し土植え(挿し穂)し発根させる。

4.の苗切り以降は、苗を購入した時とおなじ流れになります。

 

家庭でサツマイモを育てる時の病気や害虫対策

発生前に薬剤散布などで病気や害虫対策をあらかじめ講じておくことをお勧めします。

よくあるサツマイモの病気

つる割れ病・基腐病

種いもや苗、園芸用のハサミやカマ、害虫が付けた傷などから接触感染する病気。原因は土壌中に存在するカビの一種であるフザリウム菌などによって引き起こされます。

新芽が黄化して萎れたり枯死します。紅こまちはこの病気に弱く、高系14号や紅さつま、なると金時などはこの病気に強い特性があります。

病原菌は土壌内では長くは生きられません。ですが、植物の残渣上(残りかす)では越冬出来るので、翌年の感染源となりえます。感染してしまった穂や実は除去しましょう。

 

うどんこ病

サツマイモの葉に白いうどん粉のようなかびが付着し、進行するとは全体を覆い枯らせてしまいます。「酢」が原料の薬剤を事前に撒布することで予防できます。

 

黒斑病(斑点病・褐斑病)

黒斑病は、斑点病や褐斑病とも呼ばれています。
土中のカビが原因より引き起こされて、主にイモや葉に被害が出ます。
病気が進行すると、黒褐色の病斑がつぎつぎ出来て黒く広がり増していき、表面がくぼんみ中央部がカビに浸食されていきます。

 

立枯病

立枯れ病は、土壌のpHが高い、高温乾燥の状況下で放線菌の一種によって引き起こされる病気で、黒い円形の病斑が実に出来ます。

定植後1か月以内に発症することが多く、生育不良となり葉が黄色く変色し徐々にしおれていきます。

成長するにつれ消えていくこともありますが、ひどい場合はイモの部分に病斑が出たり、くびれて奇形になったり、病状が進行すると枯れてしまうこともあります。

茎や根まで腐ると、株ごと処分するしか方法がなくなり、感染を防ぐためにも焼却等して処分しましょう。できれば、土も処分した方が無難です。

紅あずまは、この立ち枯れ病に対して抵抗力が強い特性があります。

 

 

よくあるサツマイモに来る害虫

アブラムシ

体は小さく、1~4mmほどです。植物の葉や茎から汁を吸い、排泄物から菌を感染させます。

放置しておくとモザイク病を引き起こたりもしますので、多く発生しているようであれば薬剤を使用して予防してください。

 

ネコブセンチュウ

体長は、1mm以下で無色透明のことが多く目視で発見するのは、難しく

地上部の茎や葉に病気や害虫の症状が見られないのに、萎れて枯れてきたり黄化しているのはネコブセンチュウが原因かもしれません。

ネコブセンチュウは、汚染された苗や種いも、容器、作業道具、土壌などから持ち込まれることが多ようです。

ネコブセンチュウの他にも”ネグサレセンチュウ”や”シストセンチュウ”が存在しますが、ネコブセンチュウは多種類の植物に寄生することができるので、イモなどの塊根植物を育てる場合は注意しましょう。

ネコブセンチュウから植物を予防するには、太陽光による土壌消毒も効果がありますが、季節など時期的な問題、そして天気任せなので「ダゾメット(バスアミド)微粒剤」やクロルピクリンを含む「ダブルストッパー」などの土壌くん蒸薬剤による土壌消毒が確実で効果的です。

 

ヨトウ虫の仲間

葉の裏に卵を産み、ある程度大きくなると土の中にもぐり、夜間活動するようになるため“夜盗虫”と呼ばれています。

食欲が旺盛で、9月~10月あたりに活動が活発になります。夜行性で夜の間に育った葉を食害させられます。

薬剤散布もしくは卵を産卵する前に防虫ネットで予防しましょう。

 

家庭でサツマイモを栽培のまとめ

サツマイモは連作障害が出にくいため、露地植え等同じ場所での連作が可能ですが、病気になりやすい品種もあるので、通気性や透水性のよい土壌でそだてましょう。

万が一連作障害が発生した場合は、プランターであれば土を処分する。露地植えの場合はイモや蔓を含め残渣を取り除き、ダゾメット粉粒剤などで土壌消毒を行います。

 

収穫から2〜3週間ほど暗所に置くと追熟しますので、甘みが増し美味しくたべられます。

 

 

 

 

 

 

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