放っておくとどんどん繁殖するカヤツリグサ(蚊帳吊り草)。
種類もさまざまで、国内では40種ほどあり、強力な雑草として知られています。
実は、TVでスーパーフードと紹介された「タイガーナッツ」は主にヨーロッパ等で食用に栽培されている「食用カヤツリグサ」の根の部分(塊茎)になります。
食用のカヤツリグサから採れる「タイガーナッツ」
ショクヨウガヤツリの根の部分(塊茎)が大きく成長したもので、地中海沿岸のヨーロッパやアフリカでは食用として栽培されています。
日本では、ショクヨウガヤツリは花序が黄色なので「キハマスゲ」や「チョウセンラッカセイ」などとも呼ばれており、繁殖力のの強い植物です。
外来生物法により要注意外来生物に指定されている植物ですが、TVでスーパーフードと紹介されて以来、人気となっています。
タンパク質が豊富で、少し食べづらいですが皮に繊維質が多く食物繊維はゴボウの14倍といわれています。
低カロリーなのでダイエットにも効果もあるようで、カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラル、オレイン酸、ビタミンEなども豊富に含まれています。
自然な甘味があり、そのまま食べてもいいのですが、ミキサーで細かく砕いてミルクやスムージーなどに混ぜたりするとより摂取しやすくなります。
種から育てることもできます。生命力が強いので、水やりさえすれば特に手をかける必要もないそうです。
種から育てて5~6か月で根の部分(塊茎)が食べられる程度まで成長するので、掘り起こして泥や細かい根を洗い落とし、数日間天日干しすればそのまま食べる事が出来ます。
ミキサーで粉上にして混ぜたり、フライパンなどでローストしたりと色々な使い方が出来ます。
カヤツリグサの生態
国内の空き地や道端、畔、水田、畑地などにどこででも見られ、成長すると穂の先端に花火のように分かれた枝に無数の種ができて、熟して地面に落ち繁殖していきます。
日当たりの良い水場や湿地を好むものもあれば、乾燥した土地でも成長するものもあり、根っこ(根茎又は塊茎)が地中に残っているとそこからもまた新しい茎が伸びます。
初夏のを迎える頃になると成長がいちじるしくなるものが多く、根が強く深く張りますので、春先には除草剤散布や草刈り、できれば根から駆除をすることをお勧めします。
雑草として生えるカヤツリグサ
カヤツリグサ科の植物は、ほとんどが細長い葉を持ち花びらを持たず、稈(かん)という花をつける花茎を長く伸ばしたりします。ほとんどは一年生または多年生です。
クグガヤツリ
田畑や野原など乾燥したにあたりのよい土地でよく見られる。背丈は低い。
タマガヤツリ
湿地や水辺でよくみられ成長するとくす玉のような穂をつけます。15〜40cmくらいに育ちます。
コゴメガヤツリ
穂先が稲のように見える。国内ではあらゆるところで普通に見られる1年草。空き地やあぜ、道ばたなどによく生えている。
メリケンガヤツリ
田畑や湿地、河川の畔などによく生え、成長すると30~100cmと少し大きめの多年草です。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、繁殖力が強く要注意外来生物に指定されています。
ヌマガヤツリ
河川敷や沼や池など水辺等でみられます。大きいもので1mを超えるものもある1年草です。穂は熟すと赤褐色になります。
シラサギカヤツリ
原産地は北アメリカ。白鷺のような優雅な姿形が人気で観賞用として育てられています。水辺でも育ちますが、乾燥した土でも水分さえ切らさなければ育ちます。初心者でも育てやすい植物です。
イガカヤツリ
花序が栗のイガのように成長します。田畑の畔、海辺や砂浜、湿地でよくみられる多年生の雑草です。
ノゲヌカスゲ
福島県以南の国内の道端や草地や河川敷などにはえる15~25cmほどの多年草。
ハマスゲ
空き地や庭、畑や道端などでよく見かける。乾燥に強く地下に塊状の茎があり、砂浜などの乾いた土地でも生育し生命力が強い。薬草(漢方)として利用することもある。
シラスゲ
国内でごく普通に見られ約30-50cmほどに成長する多年草。湿地、林内の湿地でよくみられる多年草。
カンガレイ
池や川辺などの水辺などでよくみられ、成長すると50cm~1m程度に成長する多年草。
イヌクグ
田畑の周りや空き地、乾燥した場所や道路脇などでよく見られ、成長すると30~80cmの一年草。日あたりの良い場所を好む。
ヒメクグ
水田や貯水池など湿ったところでよく見られる。背丈は30cmほどで、丸っこい玉のような穂を、1個つける。
カミガヤツリ
古代エジプトで作られたパピルス紙の原料は、このカヤツリグサの茎の髄を使用したもので、エジプトや熱帯アフリカに自生しています。
今では紙の原料として使われることもほぼなく、観賞用(観葉植物)としてよく栽培されています。
カヤツリグサを駆除する除草剤
生育旺盛なカヤツリグサを群生さないためには、できるだけ小さいうちから早めに除草することをお勧めします。
花序から黄褐色か赤褐色になり種が落ちてから、草刈をするのでは遅いので根の成長が促進する初夏前までには対処します。
種は4~5年経過しても発芽するぐらい生命力があります。
種だけでなく地面の中に残っている細かい根からも芽を出す強靭な雑草なので、根ごと枯らす効果のある除草剤を使うのがいいでしょう。
茎葉処理型
すでに生育している草ににかけて使います。葉や茎から成分が吸収され根から吸収されません。成分は土壌に落ちると不活性化し、雑草処理後に他の植物を植える予定がある場所に使用します。
土壌処理型
これから生える草を抑える場合に使用します。成分が土壌に浸透し、雑草の根から吸収されます。土壌に成分が染み込むことで長期間雑草の発生を抑えることができますが、成分が効いている間は他の植物を植えても上手く育たないことがあります。
カヤツリグサのまとめ
カヤツリグサに限りませんが雑草は、大きくなればなるほど除草剤が効き難くなり、濃度を濃くしなければ枯れ難くなります。
小さいうちに出来るだけ対処することが、一番だと思います。
芝生の中に生えているような、小さなカヤツリグサはさがすだけでも、かなりの労力と時間を要しますので除草剤を使用することをお勧めします。
すこし大きくなると、手で抜き取っても根を取り切れなかったり種が落ちてしまい、またすぐに生えてきてしまいます。
除草剤をご使用の際は、枯らしたくない植物への影響の有無を注意事項などをよく読み使用してください。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。