どこにでもある雑草、無料の食材イタドリを調理して食べる。

食べられる野草

皆さんよくご存じのイタドリは、日本国中どこにでも群生している雑草ですが、昔は薬草として重宝されていました。

若葉を揉んで傷に貼り付けると痛みを和らげたり、止血する作用があり、「痛みをとる」が訛って「イタドリ」と呼ぶようになったということです。

また、古くから漢方薬「虎杖根(こじょうこん)」として利尿、慢性便秘などに使われており、戦時中はタバコの葉の代用品としても使用されていました。

 

あく抜きの手間はかかりますが、「おかず」として食材にできる雑草で、春になると若い茎が地面から顔を出しぐんぐんと伸びてきます。

繁殖力が強く、観賞用としてシーボルトにより長崎からヨーロッパへ持ち込まれその後、野生化してヨーロッパ各地で被害をもたらしています。

 

イタドリってこういう植物

 

イタドリ(虎杖)タデ科多年草 草丈~150cm

別名:サイタヅマ、スカンポ、タンジ(ダンチ)、スッパグサ、タジヒ、スイバ、サイタナ、ドングイ、スッポン、ゴンパチ、エッタン、タンポコ、イタンボ、サシボ、サイジンコなど他にも地域によって様々な呼び名があります。

国内であればどこにでも生えており、若いうちは柔らかく茎は中空ですが、根の成長が早く、成長が進むと茎が木質化してしまいます。

地下茎(根)は強靭でコンクリートやアスファルトを破壊し成長する程の力強さを持っています。観賞用としてイタドリが持ち込まれたイギリスでは、野生化したものが壁などの構築物を破壊して問題となっています。

 

古来から薬として利用されてきたイタドリ

 

イタドリには咳止め(カンゾウを加える)、尿路結石や膀胱結石、月経不順やジンマ疹にも効果があるそうです。

根には、ポリフェノール化合物であるレスベラトロールや利尿作用のあるポリゴニン、下剤効果のあるエモジン(アントラキノン)、ポリダチン、フィスシオン、クリソファノール、エモジンメチルエーテル等の成分をふくんでいます。

美肌や、血の巡りをよくしたり毒を体外に排出するデトックス作用があり、乾燥した根や茎は便秘や膀胱炎に効果があるそうです。

葉にはレイノウトリン(フラボノイド)やビタミンCを含んでいます。

まだ若い茎にはリンゴ酸、酒石酸、クエン酸などを含有し、シュウ酸はあまり含まれていません。

 

 

雑草なので無料、イタドリを調理して食べる

 

 

どのようにして調理すれば美味なのでしょうか?

どこにでも生えていますが、食用にするのであれば道端や河原、空き地などのものは人や犬猫の糞尿がかかっているということもありますので、出来るだけ避けましょう。

人気がなく犬猫が通りそうにない場所(山中など)のものを選んで、しっかり洗いましょう。

 

まずは、しっかりアク抜き

 

シュウ酸が多く含まれていますのでエグミと酸味があるのでしっかりアク抜きしてください。70~80℃ぐらいまで茹でて、冷水に浸して余熱を取ってから皮を剥きます。(若い茎なら茹でなくても皮はむけます)

剥いたら水に浸して丸1日くらいアク抜きします。水は3回程度変えてやるとよりシュウ酸は大部分が抜けます。

そのままイタドリを常温や冷凍で塩づけ保存する際は、皮を剥いて漬けもの容器に塩と共に漬け、調理する際は塩を洗い流し使ってください。塩漬けにして置いておくと酸味が更に和らぎます。

 

イタドリのジャム

  • イタドリの若い茎150g程度
  • 水100CC程度
  •  砂糖75gイタドリの半分程度の分量
  • レモン汁少々
  1. イタドリの皮をむき、筋を取り除き1cm程度の大きさ適当な大きさに切る。
  2. イタドリを色が変わる程度にさっと茹でて、1時間ほど水にさらしアクを抜く。
  3. 水気を切り、水と一緒にミキサーやブレンダーなどですりつぶしペースト状にする。
  4. すりつぶしたペーストを鍋に入れて砂糖、レモン汁を加え、アクをとりながら、弱火で適度な柔らかさになるまで煮つめる。
  5. 煮沸消毒したビンなどの保存容器に入れて冷ます。

イタドリの煮物

  • アク抜きしたイタドリ500g程度
  • 醤油 100cc
  • みりん  40cc
  • お酢 少々
  • だしの素  10g
  • 鰹節  少々
  • 生姜  少々
  1. いたどり以外の材料を鍋に入れ、沸騰したらイタドリを入れ沸騰させる。
  2. イタドリをいれて沸騰したら火を止めて冷ます。1日置いたら味がよく染みます。

 

イタドリの炒め物

  • アク抜きイタドリ 300g程度
  • ゴマ油(またはサラダ油) 大さじ1
  • 砂糖(またはみりん) 少々
  • しょうゆ(めんつゆ) 大さじ2~3
  • 削り節、すり胡麻 少々
  • 辛子、七味唐辛子 お好みで

 

  1. あく抜きしているイタドリを3~4センチくらいの長さに切る
  2. ゴマ油でさっと手早く炒め、砂糖、しょうゆ、削り節やすり胡麻を加えて味をなじませ火を止る。
  3. イタドリの色が少し変わったらOK。炒めすぎると味が悪くなるので注意。

イタドリの漬物

  • アク抜きをしたイタドリ 500g
  • めんつゆ 大さじ4
  • 千切りした生姜 少々
  • ゴマ油 小さじ1
  • すりごま 小さじ1
  • 七味唐辛子 少々
  1. イタドリを4~5㎝程度に切り、ボールにすべていれてイタドリにからめる。
  2. ジップロックなどに入れ空気を抜き、4~5時間程度おくと味が染み食べられる。
  3. 味の濃さは時間などを調整してお好みでどうぞ。

 

イタドリを駆除する方法

 

イタドリを食べるのではなく、雑草として駆除する方法ですが、地道に草を刈り根を掘り起こすのはとても苦労します。イタドリの根は横だけでなく縦にも深いので一筋縄ではいきません。

 

タドリマダラキジラミに駆除してもらう

イタドリ以外の植物は食べない(イタドリのみを餌とする)カメムシ目タデキジラミ科の昆虫で駆除するという方法があります。タドリマダラキジラミと言う体長が2mmほどのよく見るとセミに似た小さな虫で日本中どこにでもいる虫です。除草剤を使うよりも安全ですが、所詮「虫まかせ」ですのであまり期待はできませんし根までは枯らせません。

イギリスでイタドリが大繁殖した際、タドリマダラキジラミを日本から輸入したそうです。

 

除草剤や防草シート

除草剤では完全に駆除が難しく、繁殖力にもよりますが、グリホサート系の除草剤や防草シートなどで地面を覆ってしまう等の対処法が今のところ一番現実的で最も有効です。根まで枯らすと言っている除草剤がありますが、完全に根が死んでいないのか、場所を変えながら毎年、芽を出します。

 

 

イタドリのまとめ

イタドリは地下茎に養分を蓄えます。しっかり根まで枯らさないと越冬して翌年また芽を出して繁殖してしまいます。

若いうちは、茎の中空にしっかりと水を貯えますが、水気が多い場所に生えるものの方が、みずみずしくあまり筋が固くなく簡単にとれます。

大きくなってしまうと食べることはもちろんですが、駆除するのも大変ですので、若いうちに対処することをお勧めします。

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