ミニトマトは初心者向けの夏野菜の一つです。丈夫なので育てるのは簡単、余程のことがない限り失敗することはありません。
適当に育てても実はなりますが、味はそれなりですが、すこし手を加えたり、栽培中のちょっとしたコツでとても美味しくなりますよ。
これから夏に向けてミニトマトを植えてみようと考えている初心者の方へ、栽培方法や栽培中のよくある疑問や症状、甘くするコツなどご紹介します。
これで初夏の初めには、美味しいミニトマトが食卓に並びますよ。
プランターで栽培する甘くておいしく育つミニトマトの種類11選!
ミニトマトは種類が非常に多く、どんな種類を育てたらよいのか悩みます。
どうせなら、育てやすい上で美味しく食べられるものがいいですよね?
以下の11種は途中で枯らすような失敗が少ない丈夫な品種で、糖度が高く旨味のある美味しいミニトマトの品種です。
チョコアイコ
プラム型の多収穫・高糖度ミニトマト! 酸味が少ないのでお子様でも食べやすい、美味しいミニトマトです。
千果
鮮赤色で美しい光沢があり、栽培しやすい品種。高糖度でリコピンも、大玉トマトの3~4倍多く含まれる品種。
プチぷよ
まるでサクランボのような柔らかさ、皮の存在がほとんど気にならない感じで、果汁が口に広がります。フルーツのように甘みが強い品種です。
ピッコラルージュ
濃赤色で高糖度のからみつく甘さと濃厚なコクが特徴のミニトマト。マウロ産、イタリアの地中海トマト。
ドルチェ
味の濃い食味で、果肉がしっかりしており食べやすく、薄皮で皮が口に残らりません。糖度は9度程度まで上がる甘いミニトマト(糖度は栽培方法等により変わります)
ティンカーベル
皮が薄め、プラム型のミニトマト。糖度が高く酸味もきちんとあるので甘酸っぱい味わいがクセになります。
フラガール
濃厚な甘みとバランスの良い酸味が特徴の細長い楕円形をした縦長のミニトマトです。酸味が弱くトマト嫌いなお子様にも食べやすい品種です。
フルーツミニトマト
酸味と甘みのバランスがよい、高糖度品種です。食べやすくリピート率が高く明るい赤オレンジ色が特徴のミニトマト。
ほれまる
酸味と甘みのバランスが絶妙なサクサク食感のミニトマト。
トスカーナバイオレット
アントシアニン含有されたブドウのような見た目と食感ですが、甘み・酸味・コクのバランスが抜群な品種です。
パープルローズ
珍しい濃い紫色のミニトマト。アントシアニンを多く含み、肉厚でほどよい酸味があります。濃い紫色になるまでには日照時間が必要です。
ミニトマトをプランターで栽培するなら、接木苗がオススメ!!
接木苗とは、親和性の強い植物(同じ科の植物など)の葉茎の部分”穂木”と根っこの部分”台木”を、人為的に「クリップ」などで接合(活着)して両方の良い特徴の部分をくっつけた苗の事をいいます。
病害虫の予防や成長の促進、本来のものよりも大きくて味の良い果実や野菜の収穫が期待できます。
ーメロンの接木を例に出すとー
美味しい実のなる茎葉の部分、穂木が「メロン」
水分や土壌の栄養分を吸収する根の部分、台木が「ウリ」
- メロンは、味がとても美味しいく人気があり商品価値が高いフルーツだけど、病気や害虫に弱く生育が遅い。
- ウリは、味は不味く人気もなく商品価値も低い作物だけど、病気や害虫に強く成長が早く根は養分を良く吸い上げる。
穂木の良い特徴と台木の良い特徴がくっつき、従来のメロンよりも病害虫の被害が少なく丈夫で成長が早い美味しいメロンが出来ます。
病害虫にも強く、成長も良いので管理もすごく楽になりますので、生産性がぐんとあがります。
ミニトマトのプランター栽培、色の違いで栄養素は違うの?
色の違いによっても含有栄養素量に違いがあります。
赤いミニトマト
赤いミニトマトは、他の色のミニトマトに比べて「リコピン」を豊富に含んでいます。
リコピンには、抗酸化作用が多く含まれており「美容効果」や「生活習慣病予防効果」等が期待できます。
黄色いミニトマト
黄色いトマトには、ポリフェノールの1種「ルチン」が他の色のトマトより多く含まれています。
「ルチン」には、「動脈硬化」や「高血圧」の予防に効果があると期待されています。
緑色のミニトマト
緑色のトマトには、他の色のトマトよりも「クロロフィル」が多く含まれています。
「クロロフィル」は老廃物等を体外へ排出する効果があると言われてれており、デトックス効果が期待できます。
オレンジ色のミニトマト
オレンジ色のトマトには、他の色のトマトと比べ「ベータカロテン」が多く含まれています。
βカロテンは、免疫力UP効果が期待されます。
黒紫色のミニトマト
黒紫色のトマトは他の色のミニトマトと比べ「アントシアニン」という物質が多く含まれています。
アントシアニンには、目の疲れを取り、目の働きをよくするといった効果や肥満や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の予防の効果などが期待できます。
ミニトマト苗のプランター栽培方法・育て方
準備するものは?
- ミニトマトの苗
- プランター(奥行深さ30㎝以上の大きめ10号鉢、30型プランター程度)
- 野菜用の培養土、もしくはトマト専用の培養土
- 鉢底石(パーライト、日向石、軽石など)
- 移植ごて(小型の園芸用シャベル)
- 支柱(50㎝程度のものと150㎝程度のもの数本)
- 麻・ビニールひもなど
ミニトマトの栽培準備
プランター(鉢)に水はけをよくするために鉢底石を敷きます。プランターが大きければ、実る大きさや量も多くなり、深ければ支柱が立てやすく安定します。
鉢底石の上に野菜用の培養土、もしくはトマト専用の培養土を敷きます。
培養土の大まかな目安ですが1株で10ℓ程度、2~3株で土25~30ℓ程度必要です。
市販の培養土やトマト専用の培養土であれば、カルシウム不足などの尻腐れ病やホウ素欠乏はまずないので安心です。
また、培養土に「肥料」が入っているものは必要ありませんが、入っていない場合は培養土には「肥料」を入れて、よく混ぜましょう。
ミニトマトの苗の植え付けと(定植)栽培適期
購入した苗を移植ごてで定植(植替え)します。
苗の株元が土の表面より3㎝程度埋もれるように調整しながら、植え付けます。
なお、定植の時期は関東では4月~5月です。
ミニトマトの毎日のお世話
もともとトマトは水の少ない南米アンデス地方原産の植物で、乾燥に強い性質があります。
水を与えすぎると、根腐れや裂果など起こしやすくなりますので、水のやり過ぎには注意しましょう。
基本は、土の表面が乾いてから。プランターの底から水が流れるくらいです。
ミニトマトが少し成長したら支柱立て(誘引)
少しずつ大きくなったら、葉に日光がしっかりあたるように支柱を立てて上へ伸びるよう誘引してあげましょう。
支柱3本仕立てなら、トマトの株元からそれぞれ10㎝程度離れた所に根を痛めないようにしっかり安定する深さまで土に差し込み、バランスよく支柱をクロスさせます。クロス部分は、紐で縛ります。
わき芽取り・摘心・摘葉
美味しい実に育てるためにわき芽取りや摘心といった芽や葉茎を間引く作業が必要になってきます。
わき芽は、茎の付け根から出てきますので手で早めに全て摘み取ります。
摘芯・摘葉は栄養が実に集中するよう、これ以上、茎・つる・枝が大きく伸びないようにすることです。
主枝の先端をカットしたり下の方の葉や側枝を取り除くことで、実の生育が良くなり採光や風通しが良くなり病気にもかかりにくくなります。
実が出来てきたら
実に水があたらないようにします。灌水は株元にしましょう。
また、不要な実が出来きたら、摘果をして取り除きましょう。
収穫時期と注意点
順調に育つと初夏から晩夏にかけて、収穫が楽しめます。
完熟した実から順に一つずつ摘み取ります。
ミニトマトの栽培中によくある疑問や症状
ミニトマトの日照条件や置き場所は?
日当たり・風通しの良い場所で育ててください。
長雨や湿気の多い場所は病気にかかりやすくなります。
プランターで栽培しているのであれば出来るだけ軒先など、雨が直接あたらない場所で育ててください。
ミニトマトの花が咲いたら受粉する?
ミツバチやチョウなどの昆虫により行われます。特に必要ないと思いますが、花が咲いた茎を手で揺らしても受粉できます。
ミニトマトが赤く色づかないのは?
わき芽かきや摘芯・摘葉が十分でなかったり、日照不足、気温が低いなどの原因があげられます。
また、定植の時期によっては赤くなる時期が遅くなることもあります。
ミニトマトに黒い斑点が
高温多湿、風通しの悪さからくる「黒斑病」や「炭疽病」の可能性がありますので、環境を改善してあげてください。
また、害虫に食べられたりということもあります。
ミニトマトの病気と害虫対策
ミニトマトの主な疫病として黒斑病や炭疽病の他にも、黄化葉巻病、輪紋病、かび病、うどんこ病、トマト褐色腐敗病などがあります。
害虫や病気を防除する薬剤
ベニカベジフルスプレー (ハダニ、アブラムシ、病気にも)
カリグリーン水溶剤(ウドンコ病、カビ病)
プランター栽培で甘くおいしく綺麗なミニトマトにするには?
ミニトマトには、糖や塩分やうまみを実に蓄える機能があります。
ミニトマトのおいしさは、酸味(有機酸)やうまみ(グルタミン酸)そして甘さ(糖度)のバランスで変わります。
糖は、主にブドウ糖(グルコース)と果糖(フラクトース)ですが、高糖度と言われるトマトには、それら果実糖度が8%程度以上になります。
甘さは灌水調整でコントロールできる?
実は、灌水を調整することで、甘さ(果実糖度)をコントロールできるそうです。
灌水を極限まで控えると、一株当たりの収穫量が減少して果実の成長が抑えられるので、糖度が上がると言われています。
ただし、水分不足・カルシウム不足から尻腐れや裂果するなどの障害も起きやすくなります。逆に肥料を与えすぎて樹勢が強くなりすぎても尻腐れを起こしてしまうこともあります。
尻枯れなどの障害のないキレイで甘いミニトマトを収穫したいのであれば、高糖度になる品種を選びしっかり光合成をさせて適度な水分や肥料を与え育てるのが賢明です。
ホウ素欠乏
美味しいミニトマトを作るには、窒素やリン酸、カリウムなど様々な養分が必要となります。
なかでも、ホウ素という養分が少なくなるとせっかく成長した実が委縮したり、コルク状の亀裂が入ったりしてしまいます。
カルシウム欠乏
カルシウムが欠乏してくると、尻腐れの実になります。
ミニトマトを植える前の土壌に、カルシウムの入った肥料を使うとカルシウム欠乏を防ぐことが出来ます。
ミニトマトの灌水量や肥料について
土壌に水の量が足りず乾燥状態が続いたり、水分量が多すぎると根に酸素を取り込むことができず、窒息状態が続くことになり尻枯れ病を発症することになります。
肥料は、全く与えなくても実はなりますが、推奨量をまもり適度に与えるとより大きく美味しいミニトマトを実らすことが出来ます。ただし、与えすぎは、尻枯れ病などを誘発しますので注意が必要です。
プチトマト、ミニトマトは一緒?
呼び名が変わっただけでおなじトマトです。
昭和50~60年頃、「プチトマト」を品種改良したものが「ミニトマト」という名前で市場に流通するようになりました。
そもそも「プチトマト」という名前は、昭和50年代に「タキイ種苗」が発売した小型の種類のトマトです。
自宅のプランターで栽培できる小型サイズのトマトに「プチトマト」という名前を付けて発売したところ、爆発的にヒットしました。
その後、農家でもこの「プチトマト」を生産、出荷するようになります。
昭和60年頃にかけて、品種改良等でさらに糖度や旨味が高くなり、美味しい「プチトマト」が市場に流通するようになります。
その頃から「ミニトマト」と呼ばれるようになりました。
現在でも、「ミニトマト」と呼ぶ人もいれば「プチトマト」と呼ぶ人もいますね。
ちなみに日本で流通している「ミニトマト」の種類は、200種類以上と言われています。
ミニトマトとは?普通のトマトと何が違うの?
夏になるとトマトもミニトマトも、お店で普通にみられ、家庭でも簡単に育てられる夏野菜です。
何が違う?と言われたら、一目で見てわかるのがその大きさですね。
他には、カリウムやカロテン、葉酸m、ビタミンCなど100gあたりに含まれる栄養素の量がトマトよりも多く含んでいます。
また、果実糖度はトマトが1.6gであるのに対し、ミニトマトでは2.4gと高くなっています。
果実糖度は、トマトもミニトマトも風通しのよい場所に2〜3日置くとさらに甘くなりますので、機会があればお試しください。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。