雑草対策として、雑草シートや固まる砂などを敷くと雑草に悩まされることはないでしょうが、一番のデメリットは見映えが悪くなることです。
味気がなく、せっかくキレイな庭がもったいないと抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか?
そこで、雑草よりも生命力が強い植物をグランドカバープランツとして、植えられるご家庭が増えています。
ちなみにグランドカバープランツには、キレイな花を咲かせるもの、年中緑が茂っているもの、日陰に強いもの、人が踏んでも少々では枯れないもの、他の植物の成長を阻害する物質を放出するものなど様々な種類があります。
もともと生命力が強いので手入れなどの手間はあまりかかず、1年中植えっぱなしで水さえあれば大丈夫な植物が多いようです。
雑草はイヤだけど一面真っ黒のシートは、味気ないと感じておられる方は、日あたりや耐寒性などを確認して自分の庭や自宅スペースに合ったグランドカバープランツ(被覆植物)で美しく見映えの良い庭や自宅のスペースの有効活用につなげましょう。
グランドカバープランツ(被覆植物)って?
グランドカバープランツは多くの場合、ひざ下あたりまでの高さで人が管理、コントロールできる側物の総称のようでその定義は曖昧で、特定の種類を指すものではないようです。
特徴として、
- 植えっぱなしでも手がかからない植物
- 場所を問わず生長するとても強い植物
- 踏んでも大丈夫
- 草丈が膝より高くならない
- 雑草よりも丈夫で初心者にも育てやすい
等があげられます。
雑草対策に効果のある手間いらずで丈夫なオススメ3品種
手間いらずで丈夫なオススメ品種その1 クラピア
在来種のイワダレソウを改良した品種で、種がつかないように品種改良されています。
成長スピードが速く多年草なので、水や日光などの条件がそろっていれば年中緑を楽しむことが出来ます。密に生え雑草を生やしませんが、管理は簡単なのでとても人気があります。
手間いらずで丈夫なオススメ品種その2 クラウンベッチ
耐寒性のある宿根草です。日照を好み、成長が早く、あまり手間が掛かりません。露地植えだと水やりは不要ですが、土がよほど乾燥していたらあげる程度です。
繁殖力が強く放っておくと草丈が40㎝近くになるのでカットしましょう。
農業で土などに混ぜて緑肥として使用することもあります。
手間いらずで丈夫なオススメ品種その3 ディコンドラ(ダイカンドラ)
丸みを帯びたかわいらしい葉をつけます。茎が地面をはって伸び、草丈は10㎝以上伸びません。
日なた、半日陰をこのみ耐暑性、耐寒性があり寒冷地でなければ冬越しも可能です。土が乾いていたら水をやればいい程度で、ほとんど手がかかりません。
雑草対策に有効なグランドカバープランツ
ペニーロイヤルミント
ランナーを地表に伸ばして広がる性質があり、芝生代わりに使う人もおおようです。
日あたりと水はけのよい場所を好みます。ある程度の耐寒性と耐暑性があり、放っておいても十分育ちます。
アリやノミ、ハエなどがニオイを嫌うため、虫よけとしても効果が期待できますが、ミントは、とても強い繁殖力があり、宿根草のため冬でも枯れることはありません。
露地植えの際は、育ち過ぎないように管理する必要があります。
タイム(クリーピングタイム)
草丈は5~10cm程度で日なた、半日なたを好みます。水はけの良い場所を好み乾燥に強い植物で、露地植えだとほぼ、ノーメンテナンス(植えっぱなし)です。ただし密集してくると蒸れで枯れてしまうことがありますがあります。
成長はゆっくりです。踏むとよい香りがするので、心身ともに癒されます。
ニーレンベルギア
日当たりのよい場所を好み、草丈が10~30cm、幅が40~80㎝程度まで成長します。
多年草(常緑)で、高温・過湿が苦手です。
水はけの良い土壌を好み、関東より南では冬越しも可能です。
管理はほぼ放置で構いませんが枯れてきたら切り戻しをします。
シバザクラ
寒さ、乾燥に強く日当たりが良い所で育てるのがオススメです。
水はけがよく乾燥気味の土壌に植えましょう。シバザクラは、踏まれることには弱いのでお庭や花壇の縁などに植えるといいでしょう。病気や乾燥にも強くて丈夫ですが、密集してくると蒸れて枯れやすくなります。
花が咲かない時期も常緑なので、年中雑草が生えないようカバーしてくれます。
シンバラリア
草丈が10~20cm程度の耐寒力のあるとても丈夫な植物です。
半日蔭の水はけの良い土壌を好みます。露地植えは特に世話の必要はありませんが、タネがこぼれると増えていくので注意が必要です。
病気や害虫にもつよく育てやすい這うように広がっていきます。
ラミウム
草丈が20㎝程度、耐寒性のある常緑多年草で、露地植えでも冬越し可能です。
日陰でも徒長せず、しっかり成長します。
暑さや湿気に弱く、乾燥した水はけが良い土壌を好みます。
リシマキア
草丈が5~10cm程度の耐寒性のある多年草で、露地植えでも冬越し可能です。
日当たりが良ければ、地を這うように横に広がってどんどん育ちます。
湿気に強く、土が乾いたら水をあげるようにしてください。
ヒメツルソバ(ポリゴナム)
丈夫で繁殖力も旺盛で、日なたから半日陰の乾燥した土壌をこのみます。
草丈は5~15cmで、横に広がって成長します。
寒さや暑さ・乾燥にも強く、露地植えの場合は、ほぼ植えっぱなしで特に世話は必要ありません。
アサギリソウ
日陰でも十分に育つ多年草で薬用、食用にも利用されます。
耐寒性があり、冬越し可能ですが高温多湿に弱い性質があるので夏場は、風通しの良い場所で。
乾燥した土壌を好みます。露地植えの場合は、ほぼ植えっぱなしで特に世話は必要ありません。
アジュガ
草丈は10〜20cm程度の常緑性宿根草です。ランナーを伸ばして旺盛に横に広がいきます。
日向から半日蔭で乾燥しないやや湿り気のある場所でよく育ちます。多年草で耐寒性があり露地上でも問題なく冬越しできます。
カンパニュラ
草丈が20㎝程度、横に茎が広がっていきます。
多年草で耐寒性があり露地上でも問題なく冬越しできます。逆に暑さに弱く高温多湿を嫌います。
日向から半日蔭までの水はけの良い土壌を好みますが、乾燥のし過ぎはダメです。
タピアン
サントリーの育種の品種。繁殖力が旺盛で地面を被覆するように成長します。成長するスピードが速く、虫や病気はありません。
露地植えの場合は、ほぼ植えっぱなしで特に世話は必要ありません。
耐寒性、耐暑性共にあり日なたから半日陰を好み、乾燥した土壌を好みます。
ベロニカ・オックスフォードブルー
草丈が10~20㎝程度と低く、横に這うように広がって成長します。
宿根草で生命力がとても強く、植えっぱなしで特に世話は必要としない大丈夫な植物です。
耐寒性、耐暑性共に持ち合わせており、水はけの良い土壌で日なたから半日陰であれば問題なく育ちます。
セダム(モリムラ万年草)
乾燥に強く繁殖力の強い多肉植物です。水はけの良い土壌を好み、日陰でも育ちます。暑さや寒さにも強く、冬越しも問題ないので露地植えの場合は放置しておいても大丈夫です。(水をやりすぎると徒長するので注意)
リュウノヒゲ
常緑性の多年草で寒さ、暑さに強い植物です。日なたから日陰までどこでも育ちます。
乾燥にも強く土が乾いてから水をあげるようにしますが、露地植えの場合はよっぽどでないと必要がないです。病気や害虫などの心配もなくとても育てやすい植物です。
ネモフィラ
草丈は10〜20cmくらいと低く横に這うように広がって成長します。当たり、風通しがよい場所を好み湿度を嫌います。
寒さに強く、露地植えの場合は放置しても大丈夫です。10月頃にタネをまき、4〜5月頃に開花し6月頃には枯れてしまいます。
通気を良くしてアブラムシやウドンコ病等に気を付ける必要があります。
要注意!繁殖力が強すぎるグランドカバープランツ
繁殖力が強すぎて、制御できず自身が雑草扱いされる可能性のあるカバープランツをあつめてみました。
※シロツメクサ(クローバー)
カバープランツとして植えられていますが、しっかりと踏むことで匍匐します。
踏まずに放置しておくと、上に10㎝程伸びてきて”こんもり”と繁殖してしまいます。
繁殖力が強く、根と種でどんどん増えていき、どちらかが残ってしまうとなかなか駆除することが出来ません。
※ツルニチニチソウ(ビンカ マジョール)
非常に強健で、繁殖力が強く生育も旺盛、露地植えだと管理はほぼ不要。常緑でほふくして横に広がります。
耐寒性があり、乾燥に強く暑さに弱い性質がある。
※アイビー(ヘデラ)※ワイヤープランツ
ツル性の植物は、繁殖力が強すぎて成長がはやく、思わぬ方向へ伸びていきます。管理を怠ると制御できなくなります。
壁や塀を伝いそこで根を張ってしまうので、壁や塀にそのあとが残ってしまいます。
撤去しても土壌に根が残っていると、またすぐ生えてくるのも雑草並みに厄介です。
※ヒメイワダレソウ(リピア)
生命力が強く、株分けと種を飛ばしてどんどん増えていきます。
増えすぎると素人では手に負えなくなるかも。農林水産省から「重点対策外来種」に指定されています。
グランドカバープランツが雑草対策におすすめな訳は?
雑草を抑えることが主な目的になりますが、除草剤を使わない、景観など見映えの向上、雨による土壌の流出防止、泥はね防止、ホコリの飛散などにも効果があります。
ちなみにグランドカバープランツで一番身近にあるものって、芝生なんですがとっても管理が大変なんです。少し目をはなすと、芝生の間から雑草が”わんさか”生えてきてきます。芝刈り、水やりや追肥なども必要でお金もかかりますし、結構デリケートな植物なんです。
芝生が好きならいいんでしょうが、雑草対策としてはお金も手間がかかりすぎます。
そこで活躍するのが、雑草より強く早く咲き広がり、生長するものや雑草より強い繁殖力を持つもの、アレロパシーという植物の成長を阻害する物質を放出する植物などです。
ここに毎年雑草が!という場所に植えておくと、雑草が盛んに生い茂るのを抑制、軽減してくれますよ。
雑草対策グランドカバープランツまとめ
グランドカバープランツで、土のままにしておくよりも雑草が生えにくくなり、お手入れも簡単になるという利点がある一方、繁殖力があるので近隣に伸びていかないように定期的に監視しておく必要があります。
カバープランツを植える前に雑草が生えているのであれば草刈り業者などを入れて、雑草をある程度取り除かないといけませんが、それなりに費用がかかります。
また、個体差や環境によっては思うように栽培できないこともあるかもしれません。あせらず根気よく生育を見守りましょう。
手入れが簡単、常緑で見栄えも良い、増えすぎない、雑草よりも強い、というすべての条件を兼ね備えるカバープランツは、なかなか難しいと思いますが、カバープランツをうまく利用して理想の庭や自宅のスペースの有効活用につなげてください。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。