ナス(茄子)苗のプランターの育て方。支柱の立て方や剪定、肥料など栽培方法は?

家庭菜園

 

「秋茄子は嫁に食わすな」「一富士、二鷹、三茄子」「瓜の蔓に茄子は生らぬ」など、ナスビ(茄子)にはたくさんのことわざがありますね。

ナスビの元々の原産地は、インド東部。日本には奈良時代に持ち込まれたそうです。

夏の暑さや梅雨の時期の湿気にも強く、日本の気候にも合っているので比較的栽培が簡単な夏野菜です。

注意すべき点はありますが、初心者さん向けの夏野菜です。

料理のレパートリーも、多く食物繊維が多く含まれているナスビをご自宅でプランターで上手に栽培して、食卓で楽しんでみませんか?

 

プランター栽培するナス(茄子)苗の種類

茄子の大きさや形は、「大長」「長ナス」「米ナス」「中長ナス」「長卵形ナス」「卵形ナス」「丸ナス」「小丸なす」など多彩で、それぞれ味や食感などに特徴があるので、料理に合わせて使い分けされたりします。

日本でも栽培の歴史が長いため地域特有の品種も多く、形だけでなく紫色以外の色(青茄子や白茄子)、そして海外から入ってきたものもあり日本だけでも200近い品種数があります。

 

大長ナス

大長ナス

40~60㎝と非常に長いナス

焼きナス、煮びたし、麻婆なす、みそ煮、炒め物に

長ナス

長ナス

細長く20㎝前後の長さ

焼きナス、油焼き、煮びたし、天ぷら、素揚げ、チーズ焼きなど

米ナス

米ナス

ブラックビューティ(米国産)を品種を改良したものと言われています。

焼きナス、ソテー、田楽、オーブン焼き、炒め物など

中長ナス・長卵形ナス

中長ナス(千両)

12~15cmの大きさで、とても育てやすい品種「千両」等が有名です。

煮びたし、天ぷら、炒め物、カレーなど

 

卵形ナス

卵形、長卵形のあまり市場に出回らない品種。

漬け物など

丸ナス

野球のボールくらいのサイズ

ソテー、焼きナス、煮びたし、田楽、漬物など

小丸なす

 

漬物、煮物、

白ナス

 

青ナス

 

水ナス

 

プランターで育てるナス(茄子)苗の育て方

ナス

ナスビ(茄子)苗の栽培に準備するもの

  • ナスビ(茄子)の苗
  • プランター(奥行深さ30㎝以上の大きめ10号程度)
  • 野菜用の培養土、もしくはトマト専用の培養土
  • 鉢底石(パーライト、日向石、軽石など)
  • 移植ごて(小型の園芸用シャベル)
  • 支柱(刈り支柱に60㎝程度のもの1本、支柱で150㎝程度のものを数本)
  • 麻・ビニールひもなど

 

ナス(茄子)プランターのサイズは?

ナス1株の栽培に望ましいプランターの大きさは、直径30㎝×深さ30㎝ぐらいです。サイズでいうと10号鉢もしくは30型プランターです。

これよりも小さいサイズになると、実がなる前の成長途中で根が成長できず栄養不足になり、実がつかないといった失敗の原因になります。

支柱を立てることも考えて、なるべく大きくて深めのものを用意しましょう。

 

ナス(茄子)の苗の準備

ナスの苗は、ホームセンター等にいくと、実生苗(みしょうなえ)と接木苗(つぎきなえ)が売られています。

  • 実生苗(みしょうなえ)・・・種から育てた苗で、病気や害虫に弱いが安価。本来の実勢なので接木より丈夫さでは劣る。
  • 接木苗(つぎきなえ)・・・葉茎の部分”穂木”と根っこの部分”台木”を活着して人為的変更しているもの。連作障害や病気、害虫につよく丈夫だが、実生苗より値段は高い。

自宅のプランターで少量栽培するのであれば、双葉(子葉)が残っている接木苗を購入することをお勧めします。値段でいうと数百円程度の違いです。

 

病気や虫がついていないことを確認し、茎が太めで葉が大きくて濃い緑色、葉に厚みがあり”ピン”と張っているものを選んでください。

接木苗(つぎきなえ)には、接合部分にクリップが残っていることがあります。茎が大きくなってきたら取り外してください。

 

ナス(茄子)の栽培に必要な培養土と鉢底石

 

水はけをよくするためにプランターの底に鉢底石を敷きます。排水性の良い鉢であれば鉢底石等は不要な場合もあります。

鉢底石等を敷いた上に培養土を入れていきます。

土はナスの成長に必要な肥料分がふくまれた、野菜専用の培養土がお薦めです。

ナスは「連鎖障害」が起こりやすい野菜で、ナス・トマト・ピーマンなどの、ナス科の野菜を育てた土を再利用すると、成長や収穫に影響が出ますで必ず新しいものを使いましょう。

培養土の量は10号鉢・30型プランターともに、12ℓ位が丁度になります。

購入した苗を移植ごてで定植(植替え)します。

苗をビニールポットから出し、苗の株元と培養土の表面が同じくらいの高さになるよう調整しながら植え付け、株元を軽く押さえて安定させましょう。

 

 

培養土は鉢の上部の縁から2~3㎝下になるようにしておきます。この2~3㎝のスペースを「ウォータースペース」と呼びます。このスペースがあることで、灌水しすぎたとき、水が土を流してしまうことが少なくなります。

 

ナスが成長してきたら、仮支柱の立て方

定植後、仮支柱を立てます。苗が幼いときに支えるための支柱です。

出典:cainz

 

数10㎝ほど根を避けた場所に少し斜め気味に、支柱と苗の茎が交差するように立てます。

 

大きく育ってきたら、3本支柱の立て方

さらに大きくなってきたら、葉に日光がしっかりあたるように仮支柱から3本仕立て支柱を立てて、上へ伸びるよう誘引してあげましょう。

支柱をナスビの株元からそれぞれ10~20㎝程度離れたバランスよい所に根を痛めないように、しっかり安定する深さまで土に差し込みます。

3本の支柱をクロスさせ、クロス部分は紐で縛ります。

 

ナスの株は高さが1メートル近く成長します。

大きく育てて良い実を付けるためには1.5メートル程度の支えとなる支柱が数本必要です。支柱と茄子の茎を誘引(縛る)の「ひも」も必要です。

 

わき芽取り・摘心・摘葉など剪定について

葉や茎の付け根から出てくるわき芽を取り除きます。わき芽をそのままに放置すると栄養分が分散してしまうので、実が十分に育ちません。

出典:cainz

そこで、わき芽取り・摘心・摘葉などが必要になります。

子枝に花が咲いたら花と先の葉2~3枚、花の下のわき芽2つ程度を残して他は摘心します。その後、花部分が実になります。

 

ナス(茄子)の収穫

ナス(茄子)の花が開花後20日前後で収穫が出来ます。

1番果(最初にできた実)が出来る頃は、株はまだ小さいので実に養分を取られてる負担がかかります。

その後の成長を促すためにも2~3番果(2~3番目にできた実)は、若取り(小さいうちに採る)しましょう。

そうすることで、株への負担が減り小さい果実を採られることで、3番果以降の実を更に大きくしようとするので、その後の生育や実の成長がよくなり長い間収穫が楽しめます。

 

プランターで栽培するナスビ(茄子)の育て方、よくある疑問や症状

ナス(茄子)の日照条件や置き場所は?

ナスは日当たりのよい場所を好み、日照時間が長く、日射量が多いほど収量も多くなります。

カビなどの病気やハダニなどの害虫を防除するためにも風通しの良い場所で育てることをお勧めしますが、室外機前などに置くと強い風や熱風で、土の乾燥させるためナスが弱りやすいなりますので注意してください。

 

ナスビ(茄子)の成長に適した栽培温度

ホームセンター等では、4月頃から苗が並びはじめます。

なす苗を定植(植え付ける)に最適な時期は5月中旬以降がベストです。

4月中だとまだまだ寒い日があり、朝や夜に気温の低下で枯れてしまう可能性があります。

 

ナスビ(茄子)の実が大きくならない、艶がない、色が薄い

実がついても小さく大きくならなかったり、表面に艶がない、紫色が薄いことがあります。

これらの原因は、日照不足だったり、肥料不足や水不足が原因です。
日照不足にならない場所で育てるとともに追肥をしっかり施して、水やりを欠かさないようにしましょう。

 

ナスビ(茄子)なのに赤い実がなる

接木苗から育てていると、トマトやミニトマト、パプリカのような赤い実ができることがあります。

穂木の下の台木に赤ナスビ(ヒラナス)を使っていると、こういった現象がたまにおこります。

実は毒であるアルカロイドを含んでいます。吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを模様しますので食べないようにしましょう。

 

ナスビ(茄子)の病気と害虫対策

実の表面に茶色や少し黄色っぽい斑点があるのは、炭そ病、褐紋病、などの疫病が考えられます。

葉茎や実に白色や灰色のカビのようなものが出来た場合は、灰色かび病、綿疫病などの病気にかかっている可能性があります。

また、表面に丸い傷、裂けた傷などは葉ダニやアブラムシ等が原因と考えられます。

薬剤などで防除するとともに日あたりと風通しの良い場所に移動させましょう。

 

ナスビ(茄子)の害虫・病気を防除する薬剤ならこれ!

 

ベニカベジフルスプレー (ハダニ、アブラムシ、病気にも)

 

カリグリーン水溶剤(ウドンコ病、カビ病)

 

 

失敗のないナスビ(茄子)苗のプランター栽培方法とコツ

 

肥料は与えたほうがいい?

ナスは肥料を多く吸収する植物です。プランターで育てていると土の養分は水とともに流れてしまいますので、追肥をしましょう。

苗の定植後、1週間程度経過したら肥料を与えます。

株元から少し離れたところに混ぜ込みます。1株につき、約30g程度の化成肥料を2週間ごとに追肥すると色艶のよい大きく実が長い間、収穫できます。

大きくきれいな実を付けるために

色艶がよく大きくてみずみずしいく、美味しい実を育てるためには、追肥の他にも、日照不足や風通しの良い場所で育てましょう。

また、水切れをおこさないよう表土が乾ききる前に水をたっぷりとあげます。ただし、根腐れなど起こさないようプランターの水はけに注意しましょう。

 

プランターで栽培するナスは、夏の疲労回復に最高

和食、洋食、中華とナス(茄子)は、さまざまな料理で使われています。

ナスに含まれている栄養素は、夏の疲労回復、夏バテ予防に効果的で、βカロテン、カリウム、葉酸、腸内環境を整える食物繊維などを含んでいます。

また、ナスの皮に含まれる「ナスニン」は、ブルーベリーなどに含まれるポリフェノールの一種でアントシアニンの仲間です。目の疲労回復や抗酸化作用に優れています。

 

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