家庭で簡単に育つジャガイモを栽培。おうち時間で安心・安全で家計にも優しい家庭菜園を。

potato-top 食べられる野草

色んな料理に使える便利な野菜「ジャガイモ」

自分で育たじゃがいもを食べたことがあるって人は、あまりいないんじゃないでしょうか?

「やってみたいけど、畑もないのに作れないよ」と思われますが、お家でもプランター(鉢)で育て収穫することができます。

 

光合成が必要なので日光が当たる場所であれば、ベランダ、お庭、玄関先や軒先、室内でも栽培することが可能で、収穫までの期間が3~4か月程度と成長が早いの品種もあります。

また、農薬を使わなければ安全安心で、家計にも優しく、お子さんの自然学習・環境教育・食育などにもなり、おうち時間の有効活用にもなります。

自分で育てたオーガニックの野菜を食べてみたいと思われている方は、是非挑戦してみてください。

 

ジャガイモの植え付け時期と代表的な品種

関東以西では、春に植えて6~7月頃に収穫、秋に植えて11月~12月頃に収穫と年に2回収穫可能です。

「ジャガイモ」には、スーパーなどでよく見る「男爵(だんしゃく)」、「メークイン」、「キタアカリ」、ここ近年よく聞くようになった「インカのめざめ・ひとみ」など他にもたくさんあります。

極端に「この品種は育てるのが難しい」というものはありませんので、調理の目的や食感の好みなどで、好きな品種を選んで大丈夫です。

収穫が早いものが早生(わせ)、遅いものが晩生(おくて)、その中間ぐらいのものが中生(なかて)にあります。

春植えにおススメな品種

 

・男爵イモ:早生

(コロッケ、ポテトサラダ、粉ふきいもなど)

でんぷんの量が多くホクホクして甘みがあるじゃがいも。粉質のため煮込むとくずれやすい

・メークィーン:中生

(カレー、シチュー、グラタン、ジャーマンポテトなど)舌触りは粘質でほのかな甘みがある

・キタアカリ:早生

(コロッケ、ポテトサラダ、じゃがバタ-)

「男爵」と「ツニカ」を交配して生まれた品種で果肉が黄色い。

男爵よりデンプン量が多い。煮込むとくずれやすいがほのかな甘みやホクホク感がある。長期保存すると旨味が低下し味が落ちる。

・北海こがね:晩生

(カレー、フライドポテト、コロッケなど)

フライドポテトやポテトチップなどの揚げ料理によく使われます。粘質で煮崩れもしにくくいので煮込み料理にも使えます。

・アローワ:中早生

(カレー、おでん、肉じゃが)

フランス原産で淡黄色のじゃがいも。皮が剥きやすくあっさりとした味わいで、煮崩れしにくくホクホク感がある。成長が早く収穫までの期間が短い。

・ベニアカリ:中生

(コロッケ、マッシュポテト、イモもちなど)

皮がピンク色、果肉は白色、でんぷん質が多くホクホクした食感が楽しめる。

粉質のため煮込むとくずれやすい。

・とうや:早生

(カレー、シチュー、ポトフ、肉じゃが)

果肉が黄色。でんぷん質が低く、なめらかな舌触りで煮崩れしにくい。1992年に北海道の奨励品種として登録されたブランドじゃがいも。

・インカのめざめなど:極~中早生

(カレー、シチュー、肉じゃがなど)

舌触りは、やや粘でデンプンが多い。質果肉の濃黄色には、目の黄斑色素密度を上昇させる働きのあるカロテノイド成分「ゼアキサンチン」が多く含まれています。

発芽が早いので保存は不向き

シャドークイーン:中晩生

(ポテトサラダ、ポタージュなど)

果肉はアントシアニン色素を多く含んだ鮮やかな紫色をしています。

 

秋植えにおススメな品種

休眠期間の短い、芽が出やすいものが秋植えに向いています。

・出島(デジマ):中晩生

(カレー、シチュー、肉じゃがなど)

ニシユタカの元となった品種。果肉は、クリーム色で比較的大粒なものが多い。でんぷんの含有量が多く粘質があり煮崩れしにくい。

・西豊(ニシユタカ):中晩生

(カレー、シチュー、肉じゃがなど)

暖かい地域での栽培に適しています。果肉は薄黄色、病気(ウイルス)に少し弱いが収穫量が多い。粘質で少々煮ても崩れにくい。

・農林1号:中晩生

(肉じゃが、粉ふきいも、ポテトチップ、煮物や揚げ物など)

秋植えの定番品種で昭和18年に農林省に新しい品種として登録、以前は日本各地で栽培されていた。

・アンデスレッド:中晩生

(ポテトサラダ、コロッケ、じゃがバターなど)

皮が赤く、果肉は黄色で所々に赤い模様がある。さつま芋のような甘みがあり煮崩れしやすい。長期保存には不向き。

・レッドムーン:晩生

(肉じゃが、コロッケ、じゃがバタ―など)

皮は赤く、果肉は黄色、粘質で煮崩れしにくい。加熱すると濃い黄色になる。サツマイモのような甘みがある。

・グラウンド・ペチカ:中生

(コロッケ、じゃがバターなど)

レッドムーンから派生した品種で別名「デストロイヤ」。皮が紫色、果肉が黄色い。粘りがあり、甘味が強い。加熱しても煮崩れしにくく煮物や揚げ物向き。

 

初心者におススメは、春植えのジャガイモ

春植えは3月中旬~4月中旬に植え付けを行い6月中頃~7月中旬に収穫できます。

慣れるまでは、種芋が腐敗しづらい春植えをお勧めします。

春植えは、生育温度が10~25℃、地温が10℃以上を目安にしてください。

朝晩の地温が低い時期はマルチシートや玄米アミノ酸ぼかし、炭を土に混ぜるなどすると地温低下を緩和させます。

秋植えは8~9月初旬頃に植え付けを行いなり、11月頃の収穫になります。

まだまだ暑い時期なので、日中は地温が高くなり種芋が切り口から腐敗しやすく病気にもなりやすいので、温度の低い朝方か夕方ごろに植え付け作業をします。

また、昼の時間帯に地表温度が上がらないよう表面に藁やバーグチップなどのマルチング材を敷いておくことをお勧めします。

 

ジャガイモのプランター栽培に必要なもの

プランター栽培でも、日光と水そして上質な土と大きめのプランターがあればゴロゴロとたくさん採れます。

根腐れを防ぐため、鉢底に余分な水が溜まらない排水性があるプランター(鉢)を選びましょう。

種イモは、ホームセンターや園芸専門店、JA販売所、ネット通販などで販売しています。

1.種芋 

乾燥シワや黒ずみがないものを30~40グラム程度にカットして、2日ほど乾かします。芽が出ていれば分かりやすい。小球なものはカットしない。

芽数はたくさん必要ないので、芽がたくさん出ている頂部は切り捨てます。

種芋は、法律によって検査機関での検査が義務づけられ品質保証されており、食用には出来ません。

虫や病気がなく種芋として安全性が高くしっかり芽が出て、ジャガイモが収穫できるということです。

自分で収穫したジャガイモを種芋として使用すると、害虫や病気を発症するものがあり、次の世代へ引き継ぐリスクがあります。

2.用土

ホームセンターやネット通販でジャガイモ用の土もしくは野菜用の土(phが5~6)を購入すれば便利です。

用土を作る場合は小粒赤玉土と培養土を(5:5)の割合で混ぜます。用土が10ℓの場合、化成肥料を30g、phが5~6になるよう苦土石灰を30g混ぜておきます。

プランター底に中粒赤玉土や軽石などを敷いておくと排水性が良くなります。

3.プランター・鉢

深さ30cm以上の深型プランター(ある程度成長したら寄せ土・増し土をするため。大きく深いものほど大きく、たくさんできて成長が良いです。)

プランターの代わりに発泡スチロール箱を使用することもできますが、割れたり底に黒い甲虫やヤスデやムカデのような虫が湧いたり、コケが付いたりすることがあります。

 

ジャガイモの栽培方法

  • 用土をプランター入れ、種芋の植付けをします。種芋の幅30cm程度の間隔に深さ約5~6センチに植え付けます。
  • 水やりは1日1回、土が乾いたらたっぷりあげます。
  • 1つの種イモから何本か茎が出てくるので、丈夫な2本を残して他は間引きてください。そうすることで、丈夫で大きいじゃがいもになります。
  • ジャガイモが大きくなるにつれて、種芋より上に子芋が上にでき、地面から露出しますので「土寄せ」をします。露出したままにしておくと、太陽光が当たり皮が緑色化し、「ポテトグリコアルカロイド」で味が苦くなります。
  • 草丈が20~30㎝くらいの時に追肥を行います。芋の茎から離れた用土の上(プランターの縁)に暖効性の配合肥料を1株当たり多さ1杯程度ばらまいておきます。
  • 葉が黄色くなり、枯れ始めると収穫時期のサインです。イモを傷つけないよう掘り出して土を落とした後、数時間日陰で干してから保存します。

じゃがいもによくある障害・病気や害虫など

品種や生育環境により、疫病や害虫にかかることがあります。

連作からくる障害や病気(忌地・象皮病・そうか病)

  • 忌地(いやち)は、毎回(毎年)同じ種類、近縁種の植物を同じ用土を連続して使用し栽培したときにおこる、生育障害の事です。成長が悪くなり、収穫量が落ちます。特にジャガイモなど「ナス科」の植物はその傾向が強いので、畑作の場合同じ場所に3~4年間は作らないようにします。
  • 象皮病は、皮に網目状亀裂の模様が入り、連作などをするとよくおこります。(亀の甲症と言いいます。取り除けは食するのに問題はありません。

ジャガイモ象皮病

  • そうか病は、土壌がアルカリ性に傾きすぎると、像皮病の模様(黒い網目やかさぶた状の病斑)が更に黒く大きく悪化したような状態になることがあります。

プランターで育てる場合は、毎回用土を入れ替えた方が無難です。

害虫[アブラムシ・テントウムシダマシ・ハダニ]

ナス科のジャガイに良く発生するのが、茎から養分を吸ってしまう「アブラムシ」、草食のニジュウヤホシテントウ「テントウムシダマシ」(アブラムシは食べません)、葉から養分を吸ってしまう体長0.1〜0.8mmほどの小さな「ハダニ」です。

葉や茎がボロボロになってしまうと光合成が出来ませんので、ジャガイの発育が悪くなります。早めに薬剤を葉の裏表両面に散布したり、取り除きましょう。

薬剤を使用することに抵抗がある方は、定期的に木酢液を散布したりハーブなどのコンパニオンプランツなどをあらかじめ予防のため植えておくのもオススメです。

疫病

葉の表面が暗緑色になったり葉の裏に白いかびが出てきたりするものがあります。

病気がどの時点でジャガイモに感染していたのか、原因ははっきりしませんが、種芋の時点で何らかの病気にかかっていることが多いようです。

ジャガイモに成長する塊根部分や茎葉が腐敗します。伝染させないためにも残念ですが処分しましょう。

 

ジャガイモを食べる時に気を付けてほしい事!

ジャガイモは他のイモ類と比べてもカロリーが低く、でんぷん質にまもられ加熱しても壊れにくい「ビタミンC」が豊富でホウレンソウやミカンと同じくらいたくさんふくまれていてヘルシーな食べ物です。

ですが、芽や緑色の皮の部分には「ポテトグリコアルカロイド」(ソラニン)という物質が含まれており、非常に苦い味で有毒な成分が含まれています。

また、ジャガイモの花が咲くと通常そのまま枯れますが、稀にミニトマトのような実が出来ることがあります。その実にも「ポテトグリコアルカロイド」(ソラニン)が含まれますので絶対食べないようにしましょう。

頭痛やめまい、吐き気、腹痛などをおこすことがありますので、食べる際は芽や緑色皮は包丁で取り除いてから調理するようにしましょう。

春植えじゃがいもを夏野菜と一緒に食べると効果倍増

ジャガイモの栽培に必要な期間は、だいたい3か月です。

春植えのジャガイモだと6月~7月、他の夏野菜の収穫時期と重なります。

美肌や免疫力アップなどの効果が期待できるビタミンCが豊富なじゃがいもと、リコピンたっぷりのトマトの酸味でさっぱりとした「トマト煮」などは食べやすく、カロリーも低めです。

自宅のベランダ等の狭い場所しかない場合、トマトなどの簡単で素人でも失敗しない夏野菜とジャガイモ両方を育てるとなると、場所が足りなくなりどちらかを諦めなくてはならない場合があります。

そういった場合は、2段プランター(スタンド)やパレットプランターなどを使用すると両方諦めることなく育てることが出来ます。

透明カバーが付いている物なら保温保湿、雨風よけ、虫よけもできるので失敗する確率はぐんと減ります。

 

 

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