害獣被害は農業や家庭菜園のみならず、一般家庭の普段の生活でも不衛生で感染症等、大きな脅威となっています。
しかし、素人が害獣駆除に取り組むことは法規制、安全面や衛生面など正しい知識の欠如していると多くのリスクがあることをご存知でしょうか。
そこで、本記事では素人でも安全に害獣駆除ができる方法をご紹介します。害獣の駆除に関係する法律、害獣駆除方法、生息場所の除去、駆除剤の使用、超音波などを利用して害獣を駆除する方法、罠の使用などがあります。
なお、専門家に駆除を依頼することも、安全と法規制の点から推奨されます。自分たちの生活を守るため、ぜひこの記事を参考にして、安全かつ効果的な害獣駆除に取り組んでいただければ幸いです。
害獣駆除に関する法律「鳥獣保護管理法」
害獣や害鳥の駆除に関係する法律として、「鳥獣保護管理法」というものがあります。
ちなみに違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
対象動物を捕獲・駆除する場合は、環境大臣又は都道府県知事の許可を得て鳥獣捕獲を行うか、狩猟者登録を受けて行う必要があります。
対象動物 | イノシシ、ニホンジカ、キツネ、ヒグマ、イタチ、タヌキなどの獣類、ネズミ・モグラ類、海棲哺乳類含む) ムクドリ、キジ、カワウ、ミヤマガラス、マガモ、キジバトなどの鳥類 |
有害な生き物もいますが、法律でむやみに駆除してはいけないことになっていますので、注意しましょう。ハクビシン、ヌートリア、アライグマ、タヌキ、アブラコウモリなどは対象の動物です。
対象外 | ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ ニホンアシカ、アザラシ5種(ゴマフアザラシ・クラカケアザラシ・アゴヒゲアザラシ・ゼニガタアザラシ・ワモンアザラシ)、ジュゴンを除く海棲哺乳類 |
ネズミ全般は、鳥獣保護法で守られていますが、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれがあること又はほかの法令で適切に管理されていることから、鳥獣法の対象鳥獣から除外されています。
害獣への対処方法
法律でむやみに駆除してはいけないことになっていることを前提の上で対処しましょう。
害獣が住み着くような生息環境を除去
害獣を駆除するための最初のステップは、害獣の生息場所を取り除くことです。例えば、浴室やキッチン、地下室など、湿気がこもりやすい場所が挙げられます。これらの場所は、常に清潔で乾燥した状態に保つことが重要です。
壁や床など、害獣が侵入しそうな場所にひび割れや開口部がないか確認します。見つけた場合は、コーキング剤で塞ぎましょう。また、定期的に点検を行い、新たな開口部や再開発された場所を発見できるようにしましょう。
また、食品は密閉できる容器にしまい、家の中の散らかりを最小限に抑えることも重要です。そうすることで、害獣が隠れて巣を作ることが難しくなります。また、ペットフードなど餌になるものを密閉したりゴミや食べ物の置き場所をきちんと管理することも重要です。
忌避剤・駆除剤の使用
病気を蔓延させ、生活空間や作業空間を不衛生なものにするのであれば、忌避剤や駆除剤の使用も検討する必要があります。
忌避剤とは?
忌避剤とは、害獣が住み着くのを防ぐための薬品を指します。使い方が簡単で危険性のある化学物質を使用する必要がないことです。しかし、害獣を遠ざけるだけで実際に駆除することはできないので、効果はあまり高くありません。
アンモニアや防虫剤のような化学的な忌避剤を使用すると、さまざまな害獣を効果的に撃退することができますが、任意の範囲に定期的に塗布する必要があります。
駆除剤とは?
駆除剤は、害獣を殺すために使用されます。例えば、ネズミには、毒餌やスプレー剤が使われます。
特徴は非常に効果的で、ほとんどの害獣は薬に含まれる毒のため、短時間で殺傷されてしまいます。
しかし、残念ながら、駆除剤の使用にはいくつかの重大な欠点があります。まず、駆除剤の不適切な使用は、人間やペットなど意図しない他の生物に危険を及ぼす可能性があります。
そして、地下水や川水を汚染し、環境破壊につながる可能性があることも知っておく必要があります。
害獣を簡単に撃退できる害獣撃退器
出典:Amazon
超音波を発する害獣撃退器とは、人間には聞こえない周波数の音波を発します。害獣にとっては非常にイヤな刺激的な高周波の音を発する機械です。この機械から発する音によって害獣にとって不快な環境を作り出し、その場から離れたくなるようにすることができます。
超音波で害獣を撃退する最大のメリットは、素人でもお金をかけずに簡単に害虫を駆除できることです。この機械は、罠や忌避剤や駆除剤などの従来の害獣駆除方法よりも安価であり、安全です。
さらに装置によっては周波数を変えれる設定があり、害獣が超音波に慣れてきた頃に別の周波数に変更することで、害獣を寄せ付けないようコントロールすることが簡単にできます。
害獣に物理的な害を与えるのではなく、害虫が不快に感じる音を発生させるだけで、人間には超音波は殆ど聞こえません。
ただし、小動物のペットなどには影響があります。
ソーラーで発電できるものもあり、長期間にわたって害獣が発生しないように動作し続けることができますので、電源がない場所でも長期間効果的に使用できるもあります。
罠を使って害獣を捕獲する方法
害虫を駆除する方法のひとつに、罠を仕掛けて害獣を捕獲する方法があります。自作の罠で対処する人もいますが、耐久性などを考えると購入した方が良いでしょう。
害獣の侵入に気づくのは、建屋内でゴミの散乱、糞尿や、噛まれたあとや爪痕などさまざまな兆候が見え始めてからという人が多いと思います。
床や壁に脂ぎった毛の痕跡を残し、屋根裏部屋や地下室で見つかることがあります。これらの兆候のいずれかが建屋内にあった場合、すでに住み着いているとみて間違いありません。すぐに、罠を設置することが最善です。
効果的に捕獲するためには、罠の設置場所が重要です。最適な場所は、地下室、屋根裏、食器棚など、害獣がよく移動する場所の近くです。警戒心が強く餌をおいて、数日経っても捕獲できない場合もあります。1週間ほどしても捕獲できない場合は、設置場所を変更します。
罠を使うのは、簡単で安全ですが警戒心が強い動物は長期戦となり、なかなか捕まりません。
害獣の侵入の兆候を見極めるのが難しいく、罠の種類や設置方法に注意が必要であり、法律や規制に違反しないようにする必要があります。
捕獲後は、マダニなどに気を付け保健所などで処分してもらいます。
害獣駆除専門業者へ依頼する
殆どの場合は害獣駆除を業者に依頼することを選択する方が多いようです。害獣の種類や被害の状況を評価し、最適な駆除方法を提案してくれます。
ヌートリアやハクビシン、タヌキやアライグマさらにはイノシシやシカなどの大型の害獣の場合は、プロの手を借りることが良い解決策になることが多いようです。害獣駆除を業者に依頼することには、メリットとデメリットがあります。
業者に依頼するメリットは、自分でやろうとするよりも良い結果が得られる可能性が高いことです。プロの駆除業者が使用する駆除剤や罠は、一般人が使用するものよりも効果が高くより効率的な駆除が期待できます。また、害獣の生態を良く知っています。捕獲の経験があり、的確に害獣を撃退するための方法を熟知しています。
他にも、自分で行うよりも駆除業者に依頼した方が安全であるということがあげられます。駆除業者は、どのような忌避剤・駆除剤がよいのか、どのような罠をどこに仕掛けると捕まりやすいのか、その罠に使う餌はどれが良いのか等、法律なども含め知識と経験が豊富で、なにより感染症の心配もありません。
一方、害獣駆除を業者に依頼する一番のデメリットは、費用です。
プロの害獣駆除業者はかなり高額になる場合があります。
依頼する前に価格やサービス内容を確認することが大切です。出来れば複数業者に見積もりをもらって比較検討してみましょう。業者によっては、追加のサービスや商品の購入を迫る場合もありますので、注意が必要です。
また、駆除の過程で何か問題が発生した場合、金銭的な補償が受けられるかどうかを確認したいものです。
害獣駆除方法まとめ
これらの方法を適切に組み合わせることで、効果的に害獣の駆除が可能です。ただし、駆除作業を行う際には、安全に配慮して法律や規制に遵守することが重要です。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。