根こそぎ、きれいに取った場所でもどこからともなくやってきて、また生えてしまう「雑草」。
どこかに根が残っていたのか、それとも種が侵入したのか残っていたのかどちらかでしょう。
それらは、翌年の春からはぐんぐん成長します。
面倒で庭の手入れなどを放置しておくと初夏にかけて鬱蒼と生い茂ってしまいます。
毎年、勝手に生えてしまう雑草の種類は?どこからやって来るのか?雑草の種が出来る前に取り除けば生えてこないのか?色々考えてしますね。
あなたの近くで根付いている雑草がどうやって繁殖しているのかを知ることで、来年は今年より雑草に悩まされずにすむかもしれません。
雑草の種類、一年生、越年(二年生)と多年生の雑草
雑草に限らず植物は、発芽から枯れるまでに1年以内のものと2年以上かかる多年生のものに分けられます。
あまり聞きなれませんが、越年して花や種を付ける(2年)のものもあります。
- 1年生の雑草・・・発芽から枯れるまで1年以内で終わる雑草、種子を作ると枯れてしまうので種で繁殖する。
- 越年(2年)の雑草・・・発芽して初めの一年は根や葉茎を成長させて、翌年二年目に花や種子をつくる。
- 多年生の雑草・・・発芽して開花、結実まで2年以上かかる雑草、地上部は冬に枯れるが地下茎が生き残る。暖かくなると種子・地下茎で成長し、根付くと「宿根草」と呼ばれるそうです。
身近でよく生えている面倒で困った雑草
雑草は、日光と根が張れる場所があればどこでも生えてきてしまいます。
庭や未舗装の駐車場など、駆除しておきたいよく見る身近に生える面倒な雑草を紹介します。
身近に生える面倒な雑草その1.スギナ
トクサ科の耐寒性の多年生の雑草。ツクシが枯れた後に芽を出し、草丈が30~40cmになります。
繁殖力が旺盛で胞子、根茎、塊茎で繁殖します。
特に地下茎は縦横無尽に伸びて成長し、所々にイモのように養分の貯蔵庫となるこぶ状の「塊茎」を作り繁殖の際にはエネルギーとして利用します。
しかし、光合成が出来ないと繁殖力は弱くなります。地下茎や塊茎が残っていても防草シートなどで防げます。
身近に生える面倒な雑草その2.ドクダミ
東アジア原産のドクダミ科の多年生の雑草で古くから民間薬として利用されてきました。
草丈は20~60㎝、紫色の地上茎、5月~6月に白い花を咲かせ、ハート形の葉と地下茎を広く張り巡らせて成長します。
草丈は15~30cmと小ぶりですが広範囲に伸びて行き、花穂からの種子と横に伸びる地下茎で増殖します。
特に根は、完全に除去しないと春になるとまた生えてきます。
独特なニオイがある雑草で、多く繁殖するとニオイが強くなり不快に感じる人もいますのでトラブルにならないうちに早めの対処を。
身近に生える面倒な雑草その3.オオアレチノギク
南アメリカ原産で昭和初期に国内に入ってきたのキク科帰化植物の多年草です。
草丈が1~2mにも成長し、旺盛な繁殖力で現在では本州から九州までの各地に広く定着している。
現在、外来生物法にて「要注意外来生物」に指定されているが荒地や空き地、道端などにどこにでも多く生息しています。
7~10月頃に開花した後、綿毛を付けて風に乗って種を飛ばし繁殖します。
身近に生える面倒な雑草その4.ヨモギ
各地に自生しており日本人には縁が深い植物なのですが、普段は雑草として扱われています。
キク科の多年草で、草丈は50~100cm程に成長し空き地などいたる所に生息し種子と地下茎で繁殖します。
昔から、健康と美容に役立つ植物で食用、漢方薬に使われています。
食用の他にもコレステロール値を下げたり貧血予防、生活習慣病の予防・改善、美肌効果やリラックス効果など様々な使われ方をしています。
身近に生える面倒な雑草その5.ヤブカラシ
ブドウ科のヤブカラシは、多年草で蔓の部分を伸ばし周囲に絡みつきながら種と地下茎で繁殖します。地下茎は頑丈に成長しながら広がっていきます。
別名『貧乏葛(ビンボウカズラ)』とも呼ばれ、放置すると家や塀に絡みついたり栽培している植物などにも悪影響を及ぼします。
身近に生える面倒な雑草その6.セイタカアワダチソウ
北アメリカ原産の帰化植物で種子と地下茎で繁殖します。4~11月にかけて成長し草丈が150~300cmにもなるキク科植物の多年草です。
10月頃になると穂先に黄色い頭花をつけます。ほかの植物などの成長を阻害するアレロパシー物質を根や地下茎から放出する能力を持っています。
また、以前はセイタカアワダチソウの花粉がアレルギー症状を悪化させていると言われていました。
セイタカアワダチソウは虫媒花(虫によって受粉)なので、空中花粉を飛ばす事はなく、同時期に咲く、ブタクサの花粉(風によって受粉)が原因です。
身近に生える面倒な雑草その7.ブタクサ・オオブタクサ
北アメリカ原産の帰化植物でキク科の一年草です。後から入ってきたオオブタクサの方が全国的に繁殖しており成長すると草丈が3m程度に成長します。
生命力が強く、地面近くで茎を切除してもまた別の茎が生えてきます。
葉は、クワの葉によく似ており8~9月ごろに開花時期を迎え大量の花粉が飛び散ります。
ブタクサの花粉は風媒花(風によって飛散)なのでアレルギーの原因の一つとなっています。
また、ブタクサの種は20年以上休眠状態でも発芽能力が衰えることがありませんが、種を落とす前に撤去することで、翌年からの発芽と繁殖を抑えることが可能です。
身近に生える面倒な雑草その8.カヤツリグサ
4~10月にかけて空き地や道端や田畑などでて密集して繁殖しているのをよく見かけます。
1年草で草丈が30~40cmほどのカヤツリグサ科の雑草で、繁殖力が強く種子及び地下茎で繁殖をします。
7~8月にかけて、茎を引き裂いたような恰好で先端に黄褐色の小穂の花序子をつけて種子を実らせます。
身近に生える面倒な雑草その9.ハルジオン・ヒメジオン
ハルジオンとヒメジョオンは見た目がよく似ていますが、ハルジオンは多年草で、ヒメジョオンは一年草です。
ハルジオンは4~5月、ヒメジョンは6~10 月、北アメリカ原産のキク科植物です。
ハルジオンは強い繁殖力をもっており種と地下茎で、ヒメジョオン種で繁殖します。
身近に生える面倒な雑草その10.クズ
マメ科の植物、つる性の多年草です。 8月の暑中には生育がいったん停止するが6月と9月には成長が著しく放置しておくと家や塀など敷地全体をを覆ってしまうくらい大きくなります。
以前は大変重宝された植物で、根から食材や薬を、つるの繊維から衣類を、葉や茎は家畜の餌として利用され捨てるところなく利用されていました。
面倒な雑草対策 根から除去・種の結実前の除草で翌年は生えない⁈
毎年悩まされるのが雑草の草刈りですが、この作業の負担をできるだけ少なくするには、
- 一年生の雑草は種が結実する前に駆除する
- 多年生雑草であれば塊茎が出来る前に除草(草刈り)駆除する
ことで、翌年雑草の勢いがずいぶんと弱まり、翌年の作業が楽になります。
除草(草刈り)駆除の後は、シート類で地表を覆い遮光や水分制限を行って雑草の種の発芽の防止や地中にある地下茎や株を枯死させることができます。
農業用の黒いビニール(ポリエチレンフィルム)のほか、防草シートなどで覆う方法、定期的に除草剤を撒くとより効果的です。
一年生の雑草は比較的簡単に「土壌処理用の除草剤」で駆除することもできます。
ただし種子は、5年経過しても発芽する物もありますので、生えてきたら駆除する必要があります。
雑草はどこからやって来るのか?
人間にとって都合が悪く生活に支障をきたす植物「雑草」。
雨風や動物によって運ばれてくることもあるため防ぐことは難しいです。
とはいっても、何もしないで放置すると、更にひどい状態になってしまいます。
一年草の雑草は、種が落ちてしまうと見つけるのは困難、翌年また光合成が出来るどこかで生えてきます。そうなる前に駆除しておくことが賢明です。
多年草の雑草は手刈りだけでは、根が残ってしまうので除草剤やシートを使い根っこから駆除しておきましょう。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。