お餅や団子、饅頭などで親しまれているヨモギ。日本には30種以上のヨモギがあります。
土手や空き地、道路の未舗装部分などどこにでも生えている殆ど雑草のような植物です。
キク科の多年草で繁殖力が強いせいでしょうね。食用に使われたり、薬用としてお灸のもぐさや入浴の際に使われています。
ヨモギの生命力と歴史
ヨモギは日当たりさえ良ければどんな所でも自生します。 繁殖力は半端じゃないですよね。
昔からヨモギの生命力は人々に注目され利用されていたようで、奈良時代「万葉集」にも松や杉等と一緒にヨモギを火につけて蚊をいぶしていた記録があります。
蚊取り線香は同じキク科の除虫菊を使っていますので、同じようなことをこの時代にも防虫対策として行われていたわけです。
ちなみに除虫菊は、大日本除虫菊の創業者がアメリカ人から譲り受けたものだそうです。
ひな祭りや端午の節句など節目の日にはよもぎを使った料理が数多く作られていますね。
繁殖力が強く何処にでも生えるその姿には邪気を払う力があると信じられていたそうです。
また、おめでたい席に紅白の餅や饅頭を作ったりしますが、昔は白と緑のよもぎ餅が飾られていたそうです。
ヨモギの栄養素と色々な効果
雑草扱いされているヨモギですが、栄養素がとても豊富ですが、キク科の食物アレルギーを持っている人は注意が必要です。
生の葉100g中の食物繊維量7.8g、鉄分 4.3mg 、 葉酸 190 μg 、ビタミンA 440μg 、 ビタミンC 35 mg、マグネシウム 29mg などその他沢山のあり豊富です。
また、ヨモギにはクロロフィルと言う植物の葉に含まれる緑色色素成分がたくさん含まれています。青汁の主成分とでも有名ですね。
体内に取り込んだ有機物を分解したり、血液中の鉄分と結びつき、赤血球やヘモグロビン色素に変化しますクロロフィルの主成分であるマグネシウムはデトックス効果を持っています。ダイオキシン、カドミウムや鉛などを排出し、血管内のコレステロールも同様に排出されます。
ちなみにクロロフィルにはデトックス効果のほかにも、脂肪燃焼、便秘の解消と腸内環境の改善、貧血を改善、体を温める、コレステロール改善、リラックス効果、口臭体臭予防、抗酸化、抗菌等の効果があります。
他にも昔から「何にでもよく効く」といわれ、胃腸の不調や体の痛み、冷え性、皮膚のかゆみや湿疹、口内炎や歯ぐきの腫れ等にも使われてきました。
ヨモギに似ているトリカブト
トリカブトは「ドクゼリ」「ドクウツギ」と共に、三大有毒植物と呼ばれています。
トリカブトの葉っぱですが、ぱっと見た感じヨモギと似ています。
トリカブトは根の部分に強い毒(アコニチン)があります。花や葉っぱの部分にも毒を含んでいます。トリカブトを触った手で口や目を触ると危険です。手洗いは必ず、こまめにしてください。
間違えて食べてしまったりすると、しびれ(口、舌、手足)嘔吐、腹痛、痙攣、呼吸不全、肝臓不全、心停止等を起こし、死に至ることもあります。
間違って食べてしまったという中毒事故が良く起きていますので、野山で採ってくる際には注意が必要です。
見分ける方法ですが、ヨモギの葉の表には光沢があり、葉の裏には白い産毛が生えていますが、トリカブトの葉の表面は光沢があり、葉の裏の産毛はありません、香りもありません。
よもぎ活用法
よもぎ茶、よもぎ風呂
よもぎ蒸し
- 最近特に女性に人気があり、韓国では昔から行われている民間療法です。 穴のあいた椅子の下でヨモギやほかの薬草を煮立て、散髪の時に使う刈布(散髪ケーブ)のような物を付け蒸気を逃がさないようにして座ります。じんわりとサウナ状態になり発汗します。
- ヨモギ風呂と同じようような効果があり、とくに子宮を温めるので婦人科系の病状の改善に効果があるようです。
さいごに
ヨモギと言えば普通は餅や饅頭ですが、田舎で育った私には、夏場に水中メガネの「曇り止め」のイメージが大きいです。
海、川にいくと道端や土手などに生えているのを一本折って持っていき水中メガネが曇ってきたら、葉っぱを潰してその汁を眼鏡にこすりつけると曇らなくなったのを覚えています。
グラス部分に付いた皮脂や油分が膜になり、水中との温度差が生じると曇ってしまうそうで、 よもぎには皮脂や油分を分解する成分が含まれている為、水中メガネにこすりつけると曇り止めになるそうです。
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。