薔薇は鑑賞用として圧倒的に人気のある植物ですが、観賞用だけでなく花弁から精油を抽出した「ローズオイル」は、香水の原料になったりアロマセラピーに使われたりしています。
また、 花弁を蒸留して作る「ローズウォーター」は、中東やインドなどで食品の香りづけに使われたりしています。海外では、花弁を乾燥して調味料に加えたり、薬味として使用していたりもします。
日本でも花弁をエディブルフラワーとしてサラダにして食したり、花弁や実を加工してジャムにしたり、成熟したバラの実を使いローズヒップティーとして飲用したりしています。
バラの歴史
バラの歴史は古く、古代バビロニアの『ギルガメシュ叙事詩』にバラの棘について書かれており、古代オリエント時代に4種類の野生のバラから交雑によって何種類かの品種が生まれ、その後ヨーロッパへ広まっていったようです。
古代ギリシアやローマではバラの香りは人々に愛され、エジプトの女王クレオパトラもバラの花や香油を愛顧していたと伝えられています。そのため北アフリカや中近東の属州ではバラの栽培が盛んに行われていたと伝えられています。
人々に愛されてきたバラですが、中世ヨーロッパでは「人々を惑わす悪しきもの」として教会によってタブーとされていた時期もありました。しかしルネサンスのころに中近東のバラがヨーロッパに広まり、再び人々の愛顧の対象になりました。
イスラム教内では、赤バラが神であるアッラーを表し、白バラは創始者であるムハンマドを表しているそうです。
青いバラ
「青いバラ」市場は、1957年にアメリカで「スターリング・シルバー」や「ブルームーン」を発表したのをきっかけに熾烈な品種改造の競争を展開してきました。
日本も青いバラに対する開発を行っており多くの品種が生み出されてきました。1992年に「青龍」、2002年に「ブルーヘブン」、2006年「ターンブルー」等が挙げられます。
それまで青い色素をもつ原種バラは発見されておらず、従来行ってきた原種を使った「配育種法」では青いバラを生み出すことは不可能でしたが、日本企業の研究者により、バラのシアニジン誘導体から青い色素「ロザシアニン」が発見され青いバラが育てられるようになります。
ローズヒップティー
ローズヒップティーには、バラが咲き終わった後にできる小さい「赤い実」を使います。
さわやかな甘い香りと程良い酸味が特徴で、ビタミンC、A、E、Pを豊富に含み血行促進、発汗作用など美容にはとても良い効果があるそうです。
実を細かく切ってからお茶にすると、エキスを多く摂取することが出来ます。
ローズヒップティー向きの実のなるバラの種類は下記のとおり。
ロサ・カニーナ
別名「ワイルドローズ」「イヌノイバラ」「ドッグローズ」
ロサ・ルブリフォリア
別名「ロサ・グラウカ、鈴バラ」中国・台湾の原種で葉の色が灰紫色になります。
ロサ・ルゴサ
別名「ハマナス」実が「梨」の形に似ており、「ハマナシ」が訛って「ハマナス」になった
作り方
赤い実「ローズヒップ」をキレイに水洗いし、1/4にカットし毛や種を取り除く。ローズヒップを乾燥させます。オーブントースターで10~15分程度、自然乾燥なら3週間程度かかります。
乾燥したら、ティーバックや茶こしに入れお湯(80度くらいが適温)をいれて4,5分待ちます。ハチミツやレモンを入れて味を調整してもいいと思います。
さいごに
バラの種類は約2万種以上もあると言われており、原種(ヨーロッパや中近東、日本、北米など)、と品種改良原種、園芸品種など様々です。人間がその美しさそして香りに魅了され何年も世代を超えて愛されてきました。
そんな、存在だからでしょうか?
海外にもいろんな意味や名言やことわざがあります。
日本で代表的なものといえば「茨の道(辛く険しい道のり)」や「きれいなバラには棘がある(美しさに気を取られると危険な目に会う)」などですね。
フランスでは「No rose without a(棘のない薔薇はない)」、アメリカでは「Life is not all roses(人生楽ありゃ苦もあるさ)」とか「under the rose(秘密の意味)」等といったなんだか意味深なことわざ?もあります。
昔は青いバラ(the blue rose)というと「不可能」を意味する言葉でしたが、現在は生花店やネットで手に入りますね。もう一つは「神の祝福」をという言葉があります。不可能を可能に出来たら神の祝福が待っていますよということでしょうね・・・・
兼業農家の跡取り息子。植物が好き、花が好き、ガンダムも好き。
農業繁忙期には更新がちょくちょく遅れるよ。